【2025年版】相続税の課税対象者とは?判断基準と注意点

相続税の課税対象か不安な方向けに、基礎控除と小規模宅地等の特例を事例で解説【2025年版】 相続税
相続税の課税対象と基礎控除の関係を事例で図解。都市部の一戸建てケースを解説。

※本記事にはアフィリエイト広告(税理士.comへのリンク)が含まれます。

相続税の課税対象者は年々増加しています。背景には、2015年に相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられたことがあり、課税割合は4%台から8%台へと倍増。特に都市部に不動産を持つ家庭では、以前なら対象外だった人でも課税されるケースが増えています。
今回の事例では、東京都世田谷区の一戸建てを所有する大岡静夫さんを例に、「自分が対象かどうかを判断する基準と注意点」を分かりやすく解説します。

相続での税理士選びなら税理士ドットコム

相続税とは?基本的な仕組みを押さえよう

相続税とは、亡くなった方(被相続人)から財産を引き継いだ人(相続人)が支払う税金のことです。

対象となる財産の例

財産の種類評価方法・計算基準備考
不動産(土地・建物)路線価方式または倍率方式で算出(国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」参照)路線価方式・・路線価× 補正率×宅地面積
倍率方式・・固定資産税評価額×倍率
預貯金通帳または残高証明書に基づく死亡日現在の残高
上場株式相続発生日(死亡日)の終値など4つの株価のうち最も低い価格上場株式は市場価格
ゴルフ会員権相続発生日の取引価格の70%ゴルフ場の種類や市場状況で変動
生命保険金法定相続人 × 500万円まで非課税非課税枠を超える部分は課税対象
退職金法定相続人 × 500万円まで非課税非課税枠を超える部分は課税対象

見落としがちな課税対象財産と注意点

財産の種類内容・評価方法注意点
名義預金実質的に被相続人の資金であるが、他人名義になっている預金相続税申告時に税務署が調査し、被相続人の財産と認定される可能性が高い
名義保険実質的に被相続人が保険料を負担している他人名義の保険保険料負担者の認定によって相続財産に含まれる場合あり
相続開始前3年以内の贈与財産被相続人から法定相続人への贈与贈与時期や金額にかかわらず相続財産に加算される
相続時精算課税適用財産生前に相続時精算課税制度を使って贈与された財産贈与時の価額で相続財産に加算される

なぜ今、相続税の課税対象者が増えているのか

かつては、相続税がかかるのは「富裕層だけ」と言われていました。しかし2015年の税制改正で、相続税の基礎控除額が「6,000万円 → 3,000万円」に引き下げられ、課税対象者が一気に拡大。特に、東京・神奈川・愛知・大阪といった都市部では、地価の上昇により「一戸建てやマンションを持っているだけ」で課税対象になることも珍しくありません。

相続税がかかる人の判断基準は?

項目内容ポイント
課税価格の計算式遺産総額 −(非課税財産 + 債務 + 葬式費用)この金額が基礎控除額を超えると相続税が発生
基礎控除額3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数家族構成により控除額が変動
遺産総額不動産・預貯金・有価証券・生命保険金など相続時点(死亡日)での評価額が基準
差し引ける項目債務、葬式費用、一部の非課税財産債務(住宅ローン、未払い国税などが該当)非課税(生命保険金の非課税枠などが該当)
【2025年版】相続税の計算方法と手順をわかりやすく解説
相続税の計算を5ステップで図解。基礎控除の式、速算表、特例・控除の使い方を国税庁情報に基づき整理。首都圏一戸建てを持つ事例で相続税の算出方法を解説。

相続税がかかるかどうかの簡易チェック

●国税庁が提供する「相続税の申告要否判定コーナー」を使えば、相続税がかかるかどうかを簡易的にチェックできます。
👉 相続税の申告要否判定コーナー(国税庁)

●基礎控除早見表

相続人の数基礎控除額計算式
1人3,600万円3,000万円+600万円×1
2人4,200万円3,000万円+600万円×2
3人4,800万円3,000万円+600万円×3
4人5,400万円3,000万円+600万円×4

相続での税理士選びなら税理士ドットコム

相続税の計算手順(5ステップ)

ステップ説明
Step1:遺産評価総額を計算する 遺産評価合計から(故人の債務、葬儀費用)と(特例や非課税等を適用した評価額)を差し引き遺産評価総額を算出します。
※遺産評価合計は、1.土地、建物、有価証券、預貯金、現金など、2.みなし相続財産 被相続人以外が受取人になっている生命保険金、退職金、3.生前贈与を合計した金額です。

※小規模宅地等の特例(居住用地) 故人の居住用地を配偶者又は親族が相続した場合要件にあてはまれば土地面積330㎡まで80%減額する特例。

※生命保険金非課税枠 500万円×法定相続人の数が非課税。
Step2:課税対象額を計算する遺産評価総額から基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を引き、課税対象額を求めます。
Step3:相続税の総額を求める課税対象額を法定相続分どおりに分けたと仮定し、各人の取得額に税率を適用。合計して相続税総額を出します。
Step4:各人ごとの相続税を算出する相続税総額を実際の相続割合に応じて按分し、各人の負担額を計算します。
Step5:加算・控除を適用して最終税額を決定する配偶者控除や生前贈与などを反映し、各人の最終的な相続税額を決定します。
法定相続分に応じた取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超~3,000万円以下15%50万円
3,000万円超~5,000万円以下20%200万円
5,000万円超~1億円以下30%700万円
1億円超~2億円以下40%1,700万円
2億円超~3億円以下45%2,700万円
3億円超~6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
項目内容
ケース大岡静夫さん(死亡)。遺産評価額1億3,500万円
遺産内訳 ・東京都世田谷区 自宅(65㎡)土地9,000万円、家屋1,000万円、預貯金2,000万円、生命保険金(死亡保険金)1,500万円。
相続人は、妻(被相続人と同居)、長男(被相続人と同居)、次男の3人。
基礎控除額(3,000万円+法定相続人3×600万円)=4,800万円。
遺産分割協議遺産分割協議で、次の通り相続した。
👵 妻・・預貯金2,000万円。
👨‍🦳 長男・・自宅 土地9,000万円、家屋1,000万円。
👨‍🦳 次男・・生命保険金1,500万円。
ステップ内容
Step1:遺産評価総額を計算する遺産評価合計(不動産・預貯金・有価証券・車など)から(故人の債務、葬儀費用)と(特例や非課税等を 適用した評価額)を差し引き遺産評価総額を算出。

●遺産評価総額を計算する
👵 妻・・預貯金2,000万円。

👨‍🦳 長男・・自宅土地1,800万円+家屋1,000万円=2,800万円。
※小規模宅地等の特例適用 同居親族(長男)は相続後も居住するという要件を満たしている。
9,000万円×80%=7,200万円の減額
土地の価格 9,000万円−7,200万円=1,800万円

👨‍🦳 次男・・生命保険金0円(非課税枠の範囲内)。
※生命保険金非課税枠適用
500万円×法定相続人の数3=1,500万円。
生命保険金1,500万円−1,500万円=0円

●遺産総額 4,800万円
Step2:課税対象額を計算する遺産総額4,800万円−基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人3)=課税対象額0円
Step3:相続税の総額を求める 課税対象額が0円のため、法定相続分で按分しても各人の取得額に対する税額はすべて0円。
相続税の総額 0円
Step4:各人ごとの相続税を算出する※相続税総額を実際の相続割合に応じて按分し、各人の負担額を計算します。
👵 妻  0円
👨‍🦳 長男 0円
👨‍🦳 次男 0円
Step5:加算・控除を適用して最終税額を決定する配偶者控除や生前贈与などを反映し、各人の最終的な相続税額を決定します。
最終税額の決定内容
課税対象額が0円のため、配偶者の税額軽減(控除)の適用を問わず、納税額 0円。
長男納税額 0円。
次男納税額 0円。

相続税がかかるか不安な人は・・・

相続税がかかるかどうかの簡易チェック方法等を用いて、課税財産が基礎控除を明らかに超えた場合。
「自分は相続税を払うのか?」「申告が必要かどうか?」と悩んでいる方は、早めに相続専門の税理士へ相談しましょう。
相続専門の税理士は、土地など評価の難しい相続財産も正確に計算してくれます。
また税法上の優遇措置である小規模宅地等の特例や生命保険金の非課税枠など、最適な節税策を取ることが出来ます。もちろん申告の要否をプロの視点で判断してくれます。

まとめ

相続税がかかるかどうかは、単純な遺産額だけでなく「特例適用」や「正確な評価」によって大きく変わります。
✅ 国税庁のチェックツールを活用しつつも、最終的な判断は税理士に相談するのが最も安心・確実です。

404 NOT FOUND | 賢くのこす相続ナビ
大切な相続財産を、賢く残す・守る・減らす案内役。
404 NOT FOUND | 賢くのこす相続ナビ
大切な相続財産を、賢く残す・守る・減らす案内役。
【2025年版】相続税の計算方法と手順をわかりやすく解説
相続税の計算を5ステップで図解。基礎控除の式、速算表、特例・控除の使い方を国税庁情報に基づき整理。首都圏一戸建てを持つ事例で相続税の算出方法を解説。

関連記事

相続税がかかるかどうか、迷っていませんか?

税理士ドットコムなら無料で専門家に相談できます。
「自分は対象かも…」と思った方は、早めにご相談ください。

相続での税理士選びなら税理士ドットコム

FAQ

相続税はどんな人が対象ですか?

相続財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を超えると課税対象となります。不動産・預貯金・株式・保険金などが対象に含まれ、都市部では地価上昇の影響で対象者が増加傾向にあります。

相続税の基礎控除とは?

相続財産のうち、一定額までは相続税がかかりません。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。例えば相続人が2人なら4,200万円が非課税枠です。

自分で課税対象かどうか判断できますか?

国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」で簡易チェックが可能です。ただし正確な評価は税理士に相談するのが安心です。