マンションの相続税評価額とは?評価方法と2024年改正の注意点

マンションの相続税評価額と2024年改正による評価方法の注意点を示した図解 相続税の評価

マンションを相続した場合、相続税評価額は「建物部分」と「敷地部分」を分けて考えます。さらに、2024年からは一定の居住用マンションについて、新しい評価方法が使われるようになりました。

この改正は、一般に「タワマン節税規制」と呼ばれることがあります。ただし、影響を受けるのはタワーマンションだけではありません。都心の通常マンションや一定の低層マンションでも、築年数、総階数、所在階、敷地持分などによって評価額が変わる可能性があります。

この記事では、マンションの相続税評価額の基本、2024年改正の注意点、税理士に相談した方がよいケースを解説します。読み終えると、自分のマンションが改正の影響を受けそうか、専門家へ確認すべきかを判断できるようになります。

都心マンション、タワーマンション、高層階の部屋、築浅マンション、賃貸中のマンションを相続する場合は、自己判断で評価額を決めず、早めに相続税に強い税理士へ相談しましょう。

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マンションの相続税評価額とは?

マンションの相続税評価額とは、相続税を計算するために使うマンションの評価額です。実際の売却価格や不動産会社の査定額とは異なります。

分譲マンションは、一戸建てと違い、建物の一室だけでなく、敷地に対する権利も持っています。そのため、相続税評価では「区分所有建物」と「敷地利用権」を分けて確認します。

区分所有建物とは、マンションの専有部分である部屋のことです。敷地利用権とは、マンション全体の土地に対する持分のことです。

※毎年4月〜6月頃に市区町村から送付される「固定資産税・都市計画税納税通知書」には「課税明細書」が同封されています。課税明細書のなかの、家屋(建物)部分には、価格(建物の固定資産税評価額)が記載されています。

※マンションの登記事項証明書には、専有部分、マンション全体の土地の面積(地積)と、マンションの敷地権の割合が記載されています。

評価する部分主な評価方法確認する資料
建物部分固定資産税評価額を基準に評価固定資産税通知書、課税明細書
敷地部分路線価方式または倍率方式で評価登記事項証明書、路線価図、評価倍率表
2024年改正の補正区分所有補正率を使う場合がある築年数、総階数、所在階、敷地持分など
賃貸中の場合貸家・貸家建付地などの確認が必要賃貸借契約書、入居状況

不動産全体の相続税評価額については、次の記事でも整理しています。

不動産の相続税評価額とは?土地・建物・マンションの違い

マンション評価は土地と建物を分けて考える

マンションの評価では、まず建物部分を確認します。建物部分は、原則として固定資産税評価額をもとに評価します。固定資産税評価額は、市区町村などが固定資産税を計算するために評価した金額です。

次に、敷地部分を確認します。敷地部分は、マンション全体の土地のうち、その部屋に対応する持分を評価します。土地の評価では、路線価方式や倍率方式を使います。

マンションの場合、敷地全体の面積、敷地権割合、専有部分の面積などを確認する必要があります。

※毎年4月〜6月頃に市区町村から送付される「固定資産税・都市計画税納税通知書」には「課税明細書」が同封されています。課税明細書のなかの、家屋(建物)部分には、価格(建物の固定資産税評価額)が記載されています。専有部分の所在階やマンション全体の総階数は、登記事項証明書、管理規約、重要事項説明書、販売資料などで確認します。

※マンションの登記事項証明書には、専有部分、マンション全体の土地の面積(地積)と、マンションの敷地権の割合が記載されています。

※詳しくは、国税庁「マンションの相続税評価額に関する説明」も確認してください。
No.4667 居住用の区分所有財産の評価|国税庁
「居住用の区分所有財産」の評価が変わりました

確認項目内容注意点
建物の固定資産税評価額部屋の建物部分の評価課税明細書で確認する
敷地全体の評価マンション敷地全体の評価路線価や倍率方式で確認する
敷地権割合敷地に対する持分登記事項証明書で確認する
専有部分の所在階部屋が何階にあるか2024年改正の評価に関係する
総階数マンション全体の階数高層マンションほど影響が出ることがある

土地部分の評価方法を詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

土地の相続税評価額の調べ方|路線価と固定資産税評価の違い

路線価図の見方を確認したい方は、こちらの記事で詳しく整理しています。

路線価の見方を初心者向けに解説|相続税の土地評価ポイント

2024年改正とは?タワマン節税規制だけではない

2024年から、一定の居住用マンションについて相続税評価方法が見直されました。この改正は、一般に「タワマン節税規制」と呼ばれることがあります。

背景にあるのは、マンションの市場価格と相続税評価額の差です。特にタワーマンションでは、実際の取引価格に比べて相続税評価額が低くなりやすいことが問題視されてきました。

ただし、今回の評価見直しは「タワーマンションだけ」を対象にしたものではありません。一定の居住用の区分所有財産、つまり分譲マンションの一室について、評価乖離を調整する仕組みが導入されています。

よくある誤解実際の注意点
タワマンだけの規制都心の通常マンションでも影響を受ける可能性がある
高層階だけが対象築年数、総階数、所在階、敷地持分などを総合して判断する
評価額が必ず上がる物件によって影響は異なるため個別確認が必要
低層マンションは無関係対象外となるケースもあるが、自己判断は危険

つまり、タワーマンションを持っている方だけでなく、都心の分譲マンションを相続する方も、2024年改正の影響を確認する必要があります。

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2024年改正後のマンション評価方法

2024年改正後のマンション評価では、従来の評価額に「区分所有補正率」を反映する場合があります。区分所有補正率とは、マンションの相続税評価額と市場価格との乖離を調整するための補正率です。

計算では、まず評価乖離率を求め、そこから評価水準を確認し、最終的に区分所有補正率を判断します。初心者が正確に計算するには難しいため、ここでは全体像を理解することを優先しましょう。

ステップ内容初心者向けの見方
1. 従来の評価額を計算建物部分と敷地部分を評価する固定資産税評価額、路線価、敷地持分を確認する
2. 評価乖離率を計算市場価格との乖離を推定する築年数、総階数、所在階、敷地持分が関係する
3. 評価水準を確認従来評価額が市場価格に対してどの程度か見る評価が低すぎる場合は補正される可能性がある
4. 区分所有補正率を反映評価額を補正する相続税評価額が上がることがある

区分所有補正率は「評価乖離率」「評価水準」「区分所有補正率」の順に計算します。計算には専門的な要素が多いため、申告で使う評価額は税理士に確認した方が安全です。

特に、都心の高層マンションや築浅マンションでは、改正前より評価額が高くなる可能性があります。相続税がかかるかどうかの判断にも影響するため、早めに確認しましょう。

※詳しくは、国税庁「マンションの相続税評価額に関する説明」も確認してください。
No.4667 居住用の区分所有財産の評価|国税庁
「居住用の区分所有財産」の評価が変わりました

タワーマンションと通常マンションで影響は違う?

タワーマンションは、2024年改正の影響を受けやすい代表例です。総階数が多く、高層階に所在し、敷地持分が小さい物件では、従来の相続税評価額と市場価格との乖離が大きくなりやすいためです。

一方で、都心の通常マンションでも影響がないとは限りません。低層マンションであっても、所在地、築年数、専有面積、敷地持分、取引価格との関係によっては評価の確認が必要です。

つまり、重要なのは「タワマンかどうか」だけではありません。自分が相続するマンションが、居住用区分所有財産として新しい評価方法の対象になるかを確認することです。

マンションの種類影響の見方注意点
タワーマンション影響が大きくなりやすい総階数・所在階・敷地持分を確認する
都心の通常マンション影響を受ける可能性があるタワマンでなくても確認が必要
低層マンション対象外となる場合もある階数や利用状況だけで自己判断しない
築古マンション物件により影響は異なる築年数だけで有利・不利を決めない
賃貸中マンション別の評価要素も関係する賃貸借契約書や入居状況を確認する

雑誌やニュースでは「タワマン節税」という言葉が目立ちますが、実務では通常の分譲マンションでも確認が必要です。特に都心のマンションを相続する場合は、相続税評価額がどの程度変わるかを早めに把握しておきましょう。

No.4667 居住用の区分所有財産の評価|国税庁

2024年改正で評価額が上がりやすいマンションは?

2024年改正で評価額が上がりやすいのは、市場価格と従来の相続税評価額の差が大きいマンションです。特に都心部、高層階、築浅、敷地持分が小さい物件では注意が必要です。

ただし、すべてのマンションで評価額が上がるわけではありません。物件ごとの条件により、影響の大きさは異なります。

評価額が上がりやすい要素理由確認する資料
都心部にある市場価格が高く、従来評価との差が出やすい所在地、路線価、固定資産税資料
高層階にある所在階が評価乖離率に影響する登記資料、管理資料
総階数が多い総階数指数が評価に関係する建物の階数が分かる資料
築浅である築年数が評価乖離率に影響する建築年月、登記事項証明書
敷地持分が小さい敷地持分狭小度が評価に関係する敷地権割合、専有面積

このような要素が複数ある場合は、評価額が大きく変わる可能性があります。相続税額にも影響するため、早めに税理士へ相談することをおすすめします。

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マンション評価で税理士に相談した方がよいケース

マンション評価は、従来の固定資産税評価額や路線価だけで判断できないケースがあります。特に2024年改正後は、区分所有補正率の確認が必要になるため、相続税申告の難易度が上がっています。

また、土地やマンション評価は税理士の専門性によって差が出る分野です。不動産評価や相続税申告に慣れていない場合、評価補正や特例の判断を見落とす可能性があります。

相談した方がよいケース理由相談前に用意するもの
都心マンションを相続した評価額が高く、改正の影響を受けやすい固定資産税通知書、登記事項証明書
タワーマンションを相続した総階数や所在階が評価に影響する管理規約、専有部分の所在階が分かる資料
築浅マンションである評価乖離率に影響する可能性がある建築年月、登記事項証明書
賃貸中のマンションである貸家や貸家建付地の評価が関係する賃貸借契約書、入居状況
小規模宅地等の特例を使いたい敷地部分の評価に影響する可能性がある利用状況、同居状況、取得者の情報
相続税申告を自分で行うか迷っているマンション評価があると申告難易度が上がる財産一覧、申告期限、相続人関係

マンション評価に不安がある場合は、相続税申告と不動産評価に慣れた税理士かどうかを確認しましょう。

相続税申告を自分でできるか迷う方は、次の記事も参考にしてください。

相続税申告は自分でできる?難しいケースと税理士に頼む判断基準

税理士へ依頼する流れや相談前の準備資料は、こちらで整理しています。

相続税申告を税理士に依頼する流れ|準備資料と相談前の手順

マンション評価で最初に集める資料

マンションの相続税評価を確認するには、固定資産税通知書だけでなく、登記事項証明書や管理資料も必要になることがあります。

すべてを最初から完璧にそろえる必要はありません。まずは手元にある資料を集め、不足分を税理士に確認してもらう方法でも大丈夫です。

資料分かること確認先
固定資産税通知書建物評価額、土地評価額の概要手元の課税明細書
登記事項証明書所有者、専有面積、敷地権割合法務局
管理規約・重要事項説明書建物概要、敷地、管理内容管理会社、手元資料
売買契約書購入価格、取得時期手元資料
賃貸借契約書賃貸中かどうか、入居状況管理会社、契約書
相続人関係資料誰が相続するか戸籍、遺産分割協議書など

相続税申告に必要な資料全体を確認したい方は、次の記事で整理しています。

相続税申告の必要書類とは?戸籍・財産資料・添付書類を整理

よくある質問

2024年改正はタワーマンションだけが対象ですか?

タワーマンションだけではありません。一定の居住用区分所有財産が対象となるため、都心の通常マンションでも影響を受ける可能性があります。タワマンかどうかだけで判断しないことが大切です。

マンションの相続税評価額は固定資産税評価額だけで分かりますか?

固定資産税評価額だけでは判断できない場合があります。建物部分は固定資産税評価額を基準にしますが、敷地部分や2024年改正による区分所有補正率も確認する必要があります。

低層マンションなら2024年改正は関係ありませんか?

低層マンションでも、すぐに無関係と判断するのは危険です。対象外となるケースもありますが、階数、利用状況、区分所有の内容などを確認する必要があります。

賃貸中のマンションは評価が変わりますか?

賃貸中のマンションでは、貸家や貸家建付地の評価が関係することがあります。賃貸借契約書や入居状況を確認し、相続税評価にどう影響するか税理士に確認しましょう。

マンション評価は税理士に相談した方がよいですか?

都心マンション、タワーマンション、築浅・高層階の部屋、賃貸中マンション、小規模宅地等の特例を使いたい場合は、税理士に相談した方が安全です。2024年改正後は評価方法が複雑になっているため、専門家確認をおすすめします。

マンションの相続税評価額は、建物部分、敷地部分、2024年改正による区分所有補正率を確認する必要があります。タワーマンションだけでなく、都心の通常マンションでも影響を受ける可能性があります。不安がある場合は、早めに専門家へ相談しましょう。

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