【2026年版】相続税の申告は期限10か月|申告書作成で失敗しない注意点・必要書類を解説

相続税の申告の期限10か月・提出先・申告する人・必要書類をまとめた図 相続税

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相続税の申告は、原則として「死亡を知った日の翌日から10か月以内」に、「被相続人の住所地の所轄税務署」へ提出します。複数の相続人等がいる場合は、共同で1つの申告書を作成して提出します。期限・提出先・手続きする人・必要書類を先に押さえましょう。

相続税の全体像(計算・評価・節税・申告)を先に確認したい方はこちら:
【2026年版】相続税とは?いくらかかる?計算・評価・節税・申告まで全体像

期限が近い/特例の当てはめが不安な場合は、相続税に強い税理士に早めに相談すると安心です。
相続での税理士選びなら税理士ドットコム

項目結論つまずきポイント
期限死亡を知った日の翌日から10か月以内戸籍収集・評価・分割、期限に注意する必要がある
提出先被相続人の住所地の所轄税務署相続人の住所地ではない
手続きする人財産を取得した相続人等(複数なら共同提出が基本)代表者が提出したとしても、申告内容は各人分の相続内容の記載が必要
必要な物身分関係/財産資料/申告書・添付書類相続の非専門家が期限内に揃えるのは易しくない

相続税の申告はいつまで?(10か月期限)

相続税の申告期限は、原則として「亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」です。期限日が土日祝なら、翌開庁日が期限扱いになります。

期限に間に合わせるには、戸籍の収集・財産の洗い出し・評価・遺産分割の順に「先に動く」ことが重要です。期限後の申告は、加算税・延滞税の対象になり得ます。

一次情報(国税庁):No.4205 相続税の申告と納税

相続税の申告書はどこへ提出する?(所轄税務署)

提出先は、原則として「被相続人の死亡時の住所地」を所轄する税務署です。相続人の住所地の税務署ではありません。

提出先を誤ると、確認や差し戻しで期限が厳しくなります。住所の判断に迷う事情(入院・施設入所など)がある場合は、早めに確認しましょう。

相続税の申告は誰がする?(相続人等・共同提出)

相続税の申告は、相続や遺贈により財産を取得した相続人等が行います。相続人等が2人以上いる場合、共同して一の申告書に連署して提出する取扱いが示されています。税務署への提出自体は代表者が行う形でも進められます。

一次情報(国税庁PDF):複数の相続人等がいる場合の申告書作成(共同提出・単独提出の扱い)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/pdf/0020012-133.pdf

相続税の申告書はどんな書類?(第1表〜第15表・必要分だけ作成)

相続税の申告書は第1表から第15表までありますが、すべて作るわけではありません。該当する控除・特例があるものだけ作成します。たとえば、第6表は未成年者控除・障害者控除に関する表なので、該当しなければ作成不要です。

相続税申告書は「第1表から順番に書く」よりも、先に明細(第9表〜第15表)を固めてから集計(第1表・第2表)に進むと迷いにくいです(国税庁の記載例の流れ)。

🧾 申告書作成の流れ(国税庁D13の考え方)
手順作成する表目的(何を固める?)
手順1第9表〜第15表課税財産・債務などの明細を整理する
手順2第1表・第2表課税価格の合計・相続税の総額など全体を計算する
手順3第4表〜第8表税額控除を計算し、控除額を第1表へ転記して各人の税額を算定
手順作成する表この段階で固めることポイント
手順1第9表〜第15表課税財産の明細、債務・葬式費用などを種類ごとに整理評価が必要なもの(例:土地等)は、先に評価明細を作ってから記入すると迷いにくい
手順2第1表・第2表課税価格の合計額、相続税の総額など全体を集計・計算ここで「全体の税額の骨格」を作る(まずは総額まで)
手順3第4表〜第8表税額控除を計算し、第1表へ控除額を転記して各人の税額を確定控除の有無で必要な表が変わる(該当するものだけ作成)

補足:手順1で作成する第9表〜第15表のうち、不動産など評価が必要な財産は、先に「評価明細」を作成してから各表に転記するとスムーズです。特に土地は、路線価・地積・形状(間口・奥行など)を確認し、評価の根拠資料を揃えてから記入します。

土地評価のポイント:路線価地域では、路線価に地積を掛けるのが基本ですが、奥行価格補正率間口狭小補正率などの補正が適用される場合があります。敷地の形状(旗竿地・不整形地など)や接道状況により評価が変わるため、路線価図と評価明細の記載例を照合しながら評価の根拠を確認すると安心です。

  • 土地・借地権など:路線価図や倍率表を確認し、地積・形状を踏まえて評価明細を作成
  • 建物:固定資産税評価証明書などで評価額を確認
  • 上場株式等:基準日(死亡日)前後の価格から評価方法を選択

評価に迷う場合は、国税庁の「相続税の申告のしかた(令和7年分用)」や路線価図等を参照してください。
申告書の記載例(D13)

参考(国税庁:申告書の記載例 D13)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2025/pdf/D13.pdf

作成の順序は、国税庁の「相続税の申告のしかた(令和7年分用)」に記載があります(該当ページを参照)。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2025/pdf/D13.pdf

相続税が0円でも申告が必要なケースは?(配偶者・小規模宅地)

税額が出ない見込みでも、特例や控除の適用関係で申告が必要になることがあります。「0円=申告不要」と自己判断しないことが大切です。

🏠👩 税額0円でも申告が必要になる代表例
場面 なぜ申告が必要?
配偶者の税額軽減を使う 適用関係を申告で示す必要がある
小規模宅地等の特例を使う 要件を満たすことを申告で示す必要がある

小規模宅地等の特例の確認はこちら:
小規模宅地等の特例で自宅土地120㎡が80%減額?条件と申告手順

特例の当てはめで迷ったら、相続税に強い税理士に確認すると安心です。
相続税申告での信頼できる税理士選び

相続税申告までの流れは?(10か月を逆算)

申告は「相続人の確認→財産の洗い出し→評価→遺産分割→申告書作成→提出・納付」の順で進みます。遺言書がない場合は、原則として相続人全員で遺産分割協議を行います。

    1. 相続人の確認(戸籍を集め、誰が相続人か整理)

    1. 財産の洗い出し(預貯金・不動産・株式・保険金など)

    1. 財産評価(評価の根拠資料を揃える)

    1. 遺言書が無い場合は相続人全員で遺産分割協議

    1. 申告書作成(必要な表だけ作成し、添付資料と整合)

    1. 提出・納付(期限内に提出。納税方法も確認)

なお、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、原則として申告期限までに分割が確定していないと適用できないことがあります。一方で、一定の手続きを行えば「申告期限から3年以内に分割する」前提で適用を受ける道もあります。
一次情報(国税庁):申告期限から3年以内に分割する旨の届出手続(B1-5)

相続財産の評価の考え方はこちら:
【2026年版】相続財産の評価とは?評価方法と財産別の注意点

必要書類は何がいる?(3つに分けて漏れを防ぐ)

必要書類は大きく「身分関係」「財産資料」「申告書・添付書類」の3つに分かれます。相続の非専門家が、この3種類の資料を期限内に収集しきるのは至難の業です。身分関係は行政書士、財産資料・申告関係は相続専門の税理士に相談することも検討すると安心です。

    • 身分関係:戸籍(出生〜死亡の連続)、住民票除票など

    • 財産資料:預金残高証明・取引履歴、不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明など

    • 申告関係:相続税申告書、遺言書または遺産分割協議書(必要に応じて)

一次情報(国税庁):相続税の申告のしかた(令和7年分用)

体験談:税額0円でも「土地の明細」で手が止まったケース

首都圏在住の長男(60代)が、亡母(80代)の自宅マンションと預貯金を相続したケースです。長男夫婦は母と同居しており、自宅土地は小規模宅地等の特例で評価を80%減額する前提でした。結果として、評価額の合計が基礎控除の範囲内に収まり、税額は出ない見込みでしたが、特例を適用するため申告準備を進めることになりました。

戸籍や住民票の収集に手間取り、申告期限の約3か月前にようやく申告書作成に着手したところ、最初に作成するよう案内される「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」の記載でつまずきました。登記事項証明書は用意できていても、明細書には間口・奥行きなど見慣れない項目が並び、数値の根拠に不安が残ったためです。

国税庁の一次情報で申告期限(10か月)や提出先の基本を確認しつつ、評価明細の記載要領も探しましたが、読み解きや当てはめに自信が持てず、期限が近いこともあり専門家に相談しました。結果として、土地評価の根拠を固めたうえで期限内に申告を終えることができ、提出後の不安が大きく減ったとのことでした。

一次情報(国税庁):申告期限・提出先は No.4205。申告のしかた(手引)は 相続税の申告のしかた(令和7年分用) を参照できます。

期限が迫っている/特例の当てはめが不安な場合は、相続税に強い税理士へ早めに相談すると安心です。
相続税申告での信頼できる税理士選び

よくある質問(FAQ)は?

相続税の申告期限はいつですか?
原則として、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

提出先は相続人の住所地の税務署ですか?
いいえ。原則は被相続人の住所地を所轄する税務署です。

税額が0円でも申告が必要ですか?
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、適用関係で申告が必要になります。迷ったら早めに確認してください。

遺産分割が期限までにまとまらない場合は?
期限は来るため、未分割で申告しつつ、一定の手続により「3年以内に分割する」前提で特例の適用を目指す道があります。


申告の注意点と節税の全体像はこちら(関連):
【2026年版】相続税の節税方法とは?生前贈与・保険・特例をわかりやすく解説

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