路線価の見方を初心者向けに解説|土地面積×路線価で土地評価額が概算できる

路線価図の数字とアルファベットの見方を解説する 相続税の評価

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相続税を計算するためには、預貯金や不動産など、相続財産の価額を確認する必要があります。しかし、土地の評価について「路線価図の数字やアルファベットが分からない」「土地面積を掛けるだけでよいのか」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、路線価図の数字は道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額、アルファベットは借地権割合を表します。

例えば「370D」の場合、370は1平方メートル当たり37万円、Dは借地権割合60%です。自宅敷地などの自用地であれば、まずは「37万円×土地面積」によって、補正前の概算額を確認できます。

相続した土地が路線価方式の地域か倍率方式の地域かは、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認します。建物については、原則として固定資産税評価額を基礎に評価します。

この記事では、路線価図の数字とアルファベットの意味、国税庁サイトと全国地価マップの使い分け、土地評価額を概算する方法、税理士へ確認した方がよい土地を初心者向けに解説します。

読み終えると、自分で確認できる範囲と、相続税に詳しい税理士へ任せた方がよい範囲を判断しやすくなります。

土地の相続税評価全体の流れから確認したい方は、先にこちらの記事も参考になります。

土地の相続税評価額の調べ方|路線価と固定資産税評価の違い

路線価と土地面積から概算はできますが、土地の形状や接道状況、私道、借地権、貸家建付地などが関係する場合は、別の補正や計算が必要です。申告に使う正確な評価額が必要な場合は、相続税申告と土地評価の経験がある税理士へ確認しましょう。

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土地の評価方法は路線価方式と倍率方式の2つ

相続税で土地を評価する方法には、主に路線価方式と倍率方式があります。

評価方式対象地域基本的な計算方法
路線価方式路線価が定められている地域路線価×各種補正率×土地面積
倍率方式路線価が定められていない地域固定資産税評価額×評価倍率

すべての土地を路線価で評価するわけではありません。最初に、その土地が路線価地域と倍率地域のどちらにあるかを確認します。

なお、土地と、その土地に建っている建物は別々に評価します。建物は、原則として固定資産税評価額を基礎に評価します。

参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」

国税庁の財産評価基準書で路線価を調べる方法

相続税申告で使用する路線価は、被相続人が亡くなった年に対応する国税庁の財産評価基準書で確認します。

国税庁サイトでは、通常、都道府県、市区町村、町名や路線価図番号の順に進み、目的の土地に接する道路の路線価を確認します。

  1. 被相続人が亡くなった年に対応する年分を選ぶ
  2. 土地がある都道府県を選ぶ
  3. 市区町村を選ぶ
  4. 町名や路線価図番号を選ぶ
  5. 土地に接する道路の数字とアルファベットを確認する
  6. 申告前に該当年分の正誤表も確認する

参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

路線価の数字・アルファベットとは?土地面積を掛けて概算できる

路線価図の数字は1平方メートル当たりの価額を千円単位で表し、末尾のアルファベットは借地権割合を表します。

路線価とは、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額です。相続税で土地を評価するときに使用します。

例えば、路線価図に「370D」と記載されている場合は、数字とアルファベットを分けて読みます。

表示意味
3701平方メートル当たり370,000円(37万円)
D借地権割合60%

自宅敷地など、所有者自身が使用している自用地の補正前概算額を確認する場合は、まず数字部分の路線価と土地面積を使います。アルファベットの割合は相続した土地が賃貸物件の場合に利用します。

相続した自宅敷地が100平方メートルで、路線価が「370D」の場合、補正前の概算額は次のようになります。

370,000円×100平方メートル=37,000,000円(3,700万円)

ただし、3,700万円は、土地の形状や道路条件などを反映する前の概算額です。実際の申告では、奥行、間口、土地の形、接している道路の数などを確認します。

参考:国税庁「路線価図の説明」

全国地価マップなら住所から相続税路線価を探しやすい

全国地価マップは、住所から目的の土地を探す補助として便利です。

全国地価マップでは、固定資産税路線価等、相続税路線価等、地価公示価格、都道府県地価調査価格などを確認できます。

相続税の土地評価を確認するときは、表示する情報として「相続税路線価等」を選びます。固定資産税路線価と相続税路線価を混同しないように注意してください。

全国地価マップは土地を探す補助として使い、相続開始年、路線価、評価倍率、正誤情報は、最終的に国税庁の財産評価基準書で確認するのが安全です。

参考:全国地価マップ

路線価のアルファベットは借地権割合を表す

路線価の末尾にあるAからGまでのアルファベットは、借地権割合を表します。

記号借地権割合
A90%
B80%
C70%
D60%
E50%
F40%
G30%

「370D」のDは、借地権割合60%を意味します。
借地権割合は、借地権、貸宅地、貸家建付地など、土地の利用や権利関係を評価するときに使用します。

相続した土地が賃貸物件場合|敷地は借地権割合を使って評価する

相続した土地が賃貸物件の場合、その敷地は路線価の借地権割合を利用して土地の概算評価額を計算します。

所有する土地にアパートや貸家を建てて他人へ貸している場合、その敷地は貸家建付地として評価します。

貸家建付地では、建物の入居者が敷地を利用する権利を持つため、所有者が土地を自由に使用・処分することが難しく、このため評価も減額されることになります。

基本的な計算式は次のとおりです。

貸家建付地の価額=自用地としての価額-(自用地としての価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

路線価「370D」、土地面積100平方メートル、借家権割合30%、賃貸割合100%の単純な例では、次のようになります。

自用地としての補正前概算額370,000円×100㎡=37,000,000円
借地権割合D=60%
借家権割合30%
賃貸割合100%
貸家建付地の概算額37,000,000円×(1-60%×30%×100%)=30,340,000円

この例の貸家建付地の概算額は3,034万円です。

実際には、土地の形状補正や賃貸割合、課税時期の空室状況なども確認します。単純に「賃貸用建物があるから必ず全体を100%賃貸として評価できる」とは限りません。

貸家建付地とは?賃貸アパートの相続税評価と節税提案の注意点

参考:国税庁「No.4614 貸家建付地の評価」

路線価×土地面積だけでは正確に評価できないケース

路線価と土地面積を掛ければ補正前の概算額を確認できますが、申告に使う評価額は土地の形状や道路条件などによって変わります。

土地の状況主な確認事項
奥行が標準より長い・短い奥行価格補正
角地側方路線影響加算
前後の道路に面している二方路線影響加算
形が不整形不整形地補正
間口が狭い間口狭小補正
間口に比べて奥行が長い奥行長大補正
がけ地を含むがけ地補正
私道を含む利用状況や通行状況

補正によって評価額が下がる場合がある一方、角地や複数の道路に面する土地では加算によって評価額が上がる場合もあります。

どの道路を正面路線とするか、どの補正率を使うかによって評価額が変わるため、複雑な土地は相続税と土地評価の経験がある税理士へ確認することが重要です。

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自分で概算しやすい土地と税理士へ相談した方がよい土地

比較的概算しやすい土地税理士へ確認した方がよい土地
1本の道路に面する整形地角地・二方路線・三方路線
所有者自身が使用する土地借地・貸宅地・貸家建付地
面積や境界が明確不整形地・旗竿地・無道路地
私道や大きな高低差がない私道・がけ地・高低差がある土地
権利関係が単純共有地など権利関係が複雑な土地

概算額を知るだけであれば、自分で路線価と土地面積を確認することは可能です。

一方、申告用の評価額を誤ると、相続税を多く納める場合や、過少申告となって後から修正が必要になる場合があります。

土地・建物・マンションを含む不動産評価全体については、こちらの記事も参考になります。

不動産の相続税評価額とは?土地・建物・マンションの違い

税理士へ依頼する流れや準備資料を確認したい方は、次の記事をご覧ください。

相続税申告を税理士に依頼する流れ|準備資料と相談前の手順

よくある質問

路線価のアルファベットは必ず計算に使いますか?

必ず使うわけではありません。自宅敷地などの自用地の補正前概算では、まず数字部分の路線価と土地面積を使います。アルファベットは、借地権、貸宅地、貸家建付地などを評価するときに重要になります。

路線価がない土地は評価できませんか?

路線価がない地域では、原則として倍率方式を使います。固定資産税評価額に、国税庁の評価倍率表に記載された倍率を掛けて評価します。

全国地価マップだけで相続税申告できますか?

全国地価マップは住所から土地を探す際に便利ですが、相続開始年、路線価、評価倍率、正誤情報などは、国税庁の財産評価基準書で最終確認するのが安全です。

路線価と固定資産税評価額は同じですか?

異なります。路線価は、相続税や贈与税で土地を評価する際に使う道路ごとの価額です。固定資産税評価額は、市区町村などが固定資産税の課税のために定める評価額です。

路線価×土地面積で正確な評価額になりますか?

補正前の概算には使えますが、角地、不整形地、二方路線、私道、貸家建付地などでは補正・加算や別の計算が必要です。

まとめ:路線価は数字とアルファベットを分けて確認する

  • 数字は1平方メートル当たりの価額を千円単位で表す
  • アルファベットは借地権割合を表す
  • 「370D」は1平方メートル当たり37万円、借地権割合60%
  • 自用地の補正前概算は、路線価×土地面積で確認する
  • 路線価がない地域では倍率方式を使う

路線価図を使えば、土地評価額の大まかな目安は確認できます。ただし、土地の形状、道路との接し方、私道、借地権、貸家建付地などが関係する場合は、路線価と土地面積を掛けるだけでは正確に評価できません。

土地評価の誤りによる払い過ぎや申告漏れを避けるため、申告に使う評価額については、相続税申告と土地評価の経験がある税理士へ確認しましょう。

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